甘い蜜
ベッドでは呼吸は荒いがスヤスヤと麻理亜が眠っている。
近寄ると、顔を赤くしながら眠る姿が何だか幼子に見えて、フッと笑う。
傍らに膝ついて、起こさないように頭の下の枕を氷枕に代え、それから額には冷えピタを張る。
まぁとりあえずこれで様子見るか。
冷たいのが気持ちいいのか、麻理亜の表情が柔らかいものになる。
しかし、辛いのは変わらず、見ているこっちも辛い。
「………代わってやりたいな…」
そう思わざるをえない。
しばらく麻理亜の様子を見ていると、ブーブーと携帯が鳴る。
携帯を取って名前を確かめ、あ、と唸る。
すっかり忘れてた……