甘い蜜
「敬夜さん、諦めよう?」
「そうだな」
子供は時に強情で言うことを聞かなくなる。しかし、それは何かしら伝えようとしているのだと思う。
俺が座り直すと、満足したのか、少ない語力で必死に話をし始めた。それを聞きながら、話を聞いてほしかったんだと納得する。
「………今日は、外食にするか」
壱斗の話を聞きながら、時々補足してやりながら俺は、隣で和やかに壱斗を見ている麻理亜に話しかけた。
「そうだね」
話、終わらないだろうし。
「壱斗、今日は何が食べたい?」
「う?んと、ハンバーグ!」
「お、ハンバーグ覚えていたか。偉いぞ」
暫し考えた後に出てきた言葉に俺は、壱斗の頭を撫でて誉めた。
壱斗は嬉しそうにはしゃぐ。