病んでるあの子に愛されて。
「ぜってー行く!じゃあ5時にここな!じゃあな」

「はいっ」

彼女が微笑んだのを見て、俺は再び走りだした。

今なら飛べるんじゃないかって本気で思う。




「はい、君遅刻ー」

「…はあはあ…くそ」

まあ遅刻しちゃったけど!

でも気にしないよ。
そんな事君に会えたことを考えば安いもんさ!

遅刻したのに俺はめちゃご機嫌で、先生はキモがっていた。

「お、勇太ーおはよ」

コイツは俺の親友。
なかなかのイケメンだ。

「はよ、啓!」

「なんだあ?お前ご機嫌だな」

「まあな~へほへへへ」

「気持ちわり!」

「なんとでもいいなさい。負け犬君」

「な…!まさか…」

「ふっふふ」

「彼女が…?」

「まあ、逆ナンって言うの?その子俺に惚れちゃったみたいでー。いや困った困った!」

「くそー!!可愛いのか!可愛いのか??」

「おう、可愛い」

「なんてこった!!」

彼女が何故かいない啓を横目に俺は鼻高々だった。



このあと起こる悲劇なんて思っても見なかったよ…。

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