蒼い月

蒼い・・・?


月が蒼い...?


意味がわからない!



「ねぇ、晴輝!
意味がわかんないんだけど!」

「だーかーら!
あの月!雲に隠れてるじゃん?
あれを蒼いっつーの!」

「なんか晴輝、オバサンみたい...」

「うっせー!」



なんか・・・綺麗。


蒼いっていうんだ・・・



「俺、普通の黄色い月より
この蒼い月のが好きだなー。
なんか俺らに似てる」

「は?」



きた。


晴輝のオバチャン発言。


詩人のように語りだすんだよなー。



「何?さっきから。
意味わかんない」

「お前な・・・だからあの月!
雲に隠れてんじゃん?
その雲ってあの月の視界を
ぼやけさせてるけど、きっと
明日にはあの雲、晴れてんじゃん?
そうするとあの雲と月の関係
っていいよな」

「はぁ・・・」



はっきり言って全然意味


わかんないんですけど!


でも・・・


晴輝があまりにも神秘的な事を


言うから・・・思わず...



『このまま時が止まればいい』



そう願ってしまった。



いや、神秘的なことを


言ったからじゃない。



―晴輝が大好きだから。




好きなのに別れなきゃ


いけないことって・・・・




本当にあるんだね


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