蒼い月

一線


「おはよー!」

「あれ?髪切ったでしょ!
可愛くなったよー!
どこで切ったの?」

「えっとねー・・・
ほら、トンネルの近くにある...」

「えっ!?あそこ高いしっ!」

「んー・・・
まぁ、高かったけど結構
よかったよ?」



朝から女子の雑談が聞こえる。


いつもは何も感じないのに


今日はうざったく感じてたり。


その原因は2つ。


1つは・・・寝不足。


昨日の夜、寝られなかった。


だって寝られるはずなくない?


晴輝と別れたばかりなのに


はい、おやすみーって


のんきに寝れるわけがない。


そしてもう1つは...



「ねぇねぇ、聞いた?
晴輝くんと飛鳥ちゃんって
別れたらしいよ?」

「えっ?何で?
ってことは、あたしらにも
チャンスあるってこと?」

「んー・・・
あたしも詳しいことは
よく分かんないけど・・・」



・・・だったら言うなよ。


分かりもしないくせに言うなよ。



「まだお互い好きだって
ことは確かだって!」

「えーうそー!」



『だって』って・・・


君は誰から聞いたわけ?


ま、どーでもいいけど。


噂ってほんと早いよね。



「飛鳥~!おっはよん♪」

「噂広まりすぎじゃない?」



うん、ほんとウザいです。



「人の気持ちも考えないでさ~」



ごもっとも。



「てか、そーゆーのって
どうせならあたしがいない
ところで言ってほしいよ」



本人の前で言うとか。


普通は間違ってるところとかが


あれば違う、とかそれなりに


否定するだろうけど。


あたしはしない。


否定したところで何が変わるの?

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