蒼い月

あたしはのんきに

そんなことを考えながら

相談室へと向かう。

廊下でクラスを通るたびに

シャーペンの音が響いている。

あたしはその音を聞くと

みんなには悪いけど顔がにやけてしまう。

足取りまでおかしくなってきた。


ガラガラ・・・


「失礼しまーす♪」


誰もいないのについつい

挨拶までしてしまう。



「ダルくねー?」

「でもテストよりはいいじゃん?」

「まー、そーだけど。
なんで俺らがここにいなきゃ
いけねーわけ?」



隣の部屋から何やら

声が聞こえる。

隣の人もテストなしなのかな?



「おぉ、鎌田!
遅くなって悪かったな」

「あの・・・
今日テスト受けないのって
あたしだけですか?」

「いや、違うよ。
高校を受験しない奴らも
テストは受けないんだ」



なーんだ。

あたしだけじゃないのか。

隣の人もきっとそうだね。



「そういえば、鎌田。
お前、瀬戸内のことは聞いてるか?」

「晴輝のことですか?」

「ああ、あいつの高校なんだが・・・」



あたしはこのあと、

驚くべきことを聞いてしまう。



「あいつはな・・・
アメリカへ留学するらしい」
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