蒼い月
「いやぁ、この中学も有名に
なるなぁ。
鎌田と瀬戸内が大きな存在に..」
「先生」
もう聞いてなんかいられなかった。
晴輝のこと聞けなかった。
「すいません。
考えたいことがあるので
1人にさせてもらっていいですか?」
「おぉ、すまんすまん。
じゃあ職員室にいるからな!」
1人になって初めて気づいた。
こんな気持ちになったのは
あたしだけじゃないってことに。
晴輝もなってたんだ。
あたしが別れを告げるとき、
どれだけの距離を感じただろう?
どれだけ悲しかっただろう?
そして...
それだけ泣きたかったのだろう?
こんなにも大好きで
こんなにも切なくなって
ふざけあってた時期が
とてつもなく懐かしく思えて。
そんな時期が羨ましく感じてたり
思い出したくもなかったり、
戻りたかったり。
自分が何を求めているのか、
何がしたいのか、
何を考えているのかも分からなかった。