俺が大人になった冬
「そ、そう?」

照れながら彼女はふっと目線を落とし、敷かれた布団を見つめる。

「あ、布団……」

「言っただろ? 一個しかねぇって」

「……うん」

彼女の返事はとても小さかった。

ここで一緒に寝ることを目の当たりにして、急に緊張しているように見えた。

彼女の緊張が伝わり、俺も秘かに緊張する。

「あんたも飲む?」

俺は自分の緊張を和らげようと、冷蔵庫からペットボトルのお茶を出しグラスに注ぎながら尋ねた。

「ありがとう」

「はい」

グラスを彼女に渡し、部屋の片隅に片付けたテーブルの側に腰を下ろす。

「座れば?」

「ええ」

彼女も俺の斜め横に腰を下ろし、お互いに無言のままお茶を飲む。

鼓動が早くなり、なんとなく変な汗が出る。
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