† 黒猫とクラウン †
・・・そこからぷっつりと意識が切れた。

次に目が覚めた場所は、どこか分からない、瓦礫の上。

『ここ・・は?』

動こうとした瞬間、右足に刺すような痛みが走った。

見ると、深々と大きなとげのようなものが右足に刺さっていた。

しかし、それだけではない。

何かおかしい。

なぜなら、その足が真っ黒な毛で覆われていたからだ。

足だけではない。

体全体が同じように、真っ黒い毛で覆われていた。

しかも、長い尻尾まである。

『まさか!?』

 バッ と近くにあったガラスの破片を見る。

暗闇で月の光が映し出した僕の体は、大きな黒い化け猫と化していた。

『・・・なんで・・・』

自分の姿を確認した時、遠くの方で声が聞こえた。

『いたか!?』

『いや、見つからない』

『あの方はあんなに恐ろしいお方だったのか?』

『そんなはずは無い!・・・一体どうしたというのだ・・・』

・・・もしかして・・・僕?

そんなことを思っているうちに、声はだんだん近くなり、数も少しずつだが増えてきている。
『どうしよう・・・』




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