Smoke ♥ Kiss
「落ち着いて、話してみろよ?」
優しい声に、身体が震えるかと思った。
先生の目は、本棚の埃を見ていた。
あたしの口からは、意外にもするすると事実が出てきた。
でも、事実を述べ終わってしまった後になって、口が重くなってしまった。
あたしは何を相談したいんだろう?
相談するべきじゃないのかな?
あたしが話さなくなって、資料室は音が無いみたいだった。
空気さえ無いように感じた。
そう思えば今は昼休みだったな、なんて考えるほど、長い沈黙が続いた。
....もっとよく考えてみよう。
そう思ったときだった。
「.....お前はどうしたい?」
真剣な目は、鋭く尖っているようにも見えた。
「.....リィが元通りになってほしいです」
「それなら、何があったか聞けばいい」
先生がうなるように言った。