支配者
どんなに書き込もうが書くページはあり、見たい時は五十音の所に触れ、名前を思い浮かべれば自動的に引き当てる。

ソウマという血族の男が経営している小物屋から買ったもので、重宝していた。

「わたしの顔も、血族の間じゃ有名だしね」

今日の集会に出る予定の、血族の者の顔を見る。

「…そろそろ行かなきゃ」

わたしは手帳を閉じて、ランドセルに入れた。

そして未だ固まっているアオイに、最上級の笑みを浮かべる。

「それじゃ、またね。もうクラスメート達をイジメちゃダメよ?」

諭すように言って、わたしは駆け出した。

「あっ、ルナ!」

彼の呼び止める声に、振り返る気は無かった。

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