クロスロードラヴァーズ
そして、
「うおっ!?な、何しやがんだよ、おまえ。」
火槌の胸ぐらをガツッと掴んだ。
「初対面の人間や思うて加減しとったんやけどな……もう堪忍の尾がぶち切れたわ!何や、あんさんから近づいてきて、泣かして、毒舌吐いて……一辺、しばいたろか!?」
「お、落ち着けって、郁……。」
「こっちはなあ、いとこである梓はんの彼氏を悪う言いてもうて、梓はんを落ち込ませてしもうてどうしよかって本気で悩んどったんや!そんなオレにあんさんは……あんさんはあ!!」
「ふうん……だから、らしくねえ顔してたのかよ。」
「……あっ。」
郁は、しまったというように火槌から手を離し、両手で自分の口を塞ぐ。
火槌は、掴まれた服の裾をパンパンと手で二度払ってから向き直る。