クロスロードラヴァーズ



「……自分は確かに梓のことが好きだ。もう会えない……とそう言ったことも、多少は後悔している。」


「ほうほう、それで?」


「しかし、自分の勝手な想いで梓を不幸にしたくないとも考えた。梓には……自分以上に彼女を想ってくれる兄が居るからな。自分よりも、その兄と共に生きる方が、梓にとっては幸せなはずだ……。」


まるで自分に言い聞かせているかのように、聖河は小さく呟いた。



「幸せなはず……ねえ?断定できねえのに、勝手に幸せとか決めていいのかよ、相棒。幸せっつうのは、他人が決めるもんじゃねえだ。本人が決めるもんだろうが。」


「……。」


「それによ……相棒の気持ちは最初から関係ねえんだよ。俺様は、相棒が何と言おうと梓とくっつけてやるつもりだからな。」


「なっ……話が違うぞ、時神!」


火槌の言葉に驚き、聖河は飛び起きて訴える。


だが、火槌はそんなことはどこ吹く風というような表情で、寝っ転がったままだ。
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