ジュリエットに愛の花束を。
「……まさかと思うけど、また松永?」
「……うん。なんなんだろうね」
「なんなんだろうね、っておまえに気があるに決まってんだろ。
じゃなきゃ、あんな争奪戦で勝ち取ったプリンをわざわざ他の奴にやらないだろ」
少し怒っても聞こえる樹の声に、黙って考えてみる。
けど……。
「でも、プリンくれるだけで別に何かしてくるわけじゃないし。
断りようもないし」
眉をしかめながら言ったあたしに、樹も同じような顔をして……プリンを持ったままあたしの隣に座った。
軋むソファの音が小さく響く。
「……なんか盛ってあったりして」
片手でプリンを揺らしながら言う樹に、呆れて笑みをこぼす。