この恋だけ、
一瞬、固まる。


バサッと音をたてて持っていたプリントが落ちた。


思考停止。


『おーい。』


いや、変な意味にとらえちゃいけない。きっと、折原は熱で頭が少しおかしいんだ…!


そうだよ、風邪は他の人にうつした方が治りが早いって言うし…、


空気感染だよな。


『おい、聞いてんの?』


ん?
目の前に…目と口と鼻…
誰かの顔…………って


『うぇえ!?』


目の前に折原が…。
近っ!いつのまにこんな近くに…


『どうしたの?』


『近い!離れろ。』


やっぱり頭がおかしいんだ。こんな近くじゃまともに話せないって…


『だってお前が何も喋らないから。』


とか言いながら、私のベッドの隣の椅子に座る。


『それは、折原が変なこと言うから…』


『意識しちゃった?』


『してない!折原今日は特別おかしいんだよね?熱で頭がおかしく…』


『なってない。もとからだ。』


もとからそれなの!?
…うぉ!最悪だぁ。
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