この恋だけ、
『へー、いい子なんだ?』

体温計を挟みながら折原を見る。


『悪い子ですよ。』


さっきの私みたいに、クスッと笑う。


『いい子のふり?』


『世渡り上手なだけだ。その人にあった接し方してるだけ。』


…私と同じ。
でも、一緒にしたくない。

『…で、なんで私にあった接し方がそれな訳?』


さっきの看護婦さんみたいな接し方してくれてもいいのにね、


そこが疑問だ。


だって別に折原に、何したわけでもないし…


『お前ムカつくから。』


は、


なんでよ。
つーかどこが。


『私がムカつく?』


『そう、すごいね。だって、お前大人と話してるときいい子ぶっててうざい。』

…うざい!?
私誰にも言われたことないんだけど…。


『まぁ、俺と同じだけどね。でも同じだから、余計ムカつく。』


それだけの理由かい…


『それって、漫画のなかに同じキャラクターは、二人いらない的な感じだね。』

私だって、嫌だし。


『…あぁ。』


折原は、本に目を移した。

その様子を見つめる。
やっぱり、折原綺麗だよ。いかにも、美少年って感じで。
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