この恋だけ、
『うるさい。寝る。』


いきなり不機嫌になった折原は、目を閉じて眠る体勢になった。


長い睫毛…


何をしたら、こうなるんだろう。


つまらない、折原の観察でもしようか…


『あ、そうだ。』


折原の目が突然開く。


『何?』


『起こしたら殺すから。』

殺す!?
何普通に言ってるんだよ。

…しかも、もう寝てるし。

やだなぁ。
折原寝ちゃったらつまんない!ただでさえやる事無いのに…。


ふと、時計に目をやる。


一時三十分。
まだそんな時間か…。


コンコンッ


ドアを叩く音?
何で?さっきは、ノックしないで看護婦さんとか入って来てたのに。


『はい?』


ベッドから降りて、ドアの方に近づいてみる。


ガラガラッとドアが開く。

『よ!高屋敷。』


面倒な奴が…って失礼か。

担任の坂本先生。
結果若くて、体育の担当。

『先生、わざわざ来てくれたんですか?』


自分のベッドの横の椅子を差し出して、私はベッドに座った。


『あぁ、みんな心配してるぞ。学級委員がいないと寂しいって。』


一瞬、学校は?って聞きそうになったけど、昨日は確か金曜日だったから、今日は休みだった事を思い出した。
< 9 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop