オフィスレディの裏の顔
「よっち!」

振り返ったよっちは助手席まで戻ってきてくれた。

「熟睡しとったなぁ〜」

「よっちタバコくさいよ。」

「なんや〜、気を使って寒いのに外で吸っとるやないか。」

「ありがとう。」

「寒いから窓しめとき。」

「うん。」

私は窓を閉め、バッグから携帯を取り出し時間をみた。5時をまわっていた。タバコを吸い終えたよっちは車のフロントに回ると、私に向かって手をふり何かジェスチャーした。よくわからなかった私は首をかしげた。するとよっちは突然爆転した。

「すご〜い!」

手をパチパチとたたいて少しびっくり顔の私に向けてよっちはVサインをした。よっちの体系はどちらかと言えば・・・太っていると言えば怒られるかもしれないけど、まぁ体格がいい。まさか30才目前にして現役スポーツ選手でもあるまいし爆転ができるなんて思ってなかった。

「どや、惚れ直したか?」

運転席に戻ってきたよっちは誇らしげだった。

「うん!まさかの爆転!」

「昨日のジャニーズよりカッコよかったやろ?」

「・・・」

私が答えを流すと、よっちは私の頭に手をおき髪をくしゃくしゃとかき回した。昨夜ジャニーズカウントダウンを一緒にテレビで見ていて、私がキャーキャー喜んでいたので真似てくれたのだ。そんなところが子供っぽくてかわいいと思った。
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