オフィスレディの裏の顔
2人の食事の時間は、以前よりも楽しかった気がした。まだ学生の彼氏と比較をするのは申し訳ないけれど、仕事の相談ができて、人間関係をよくするアドバイスもしてくれて、それでいて金銭面もバックアップしてくれて・・・。

「そろそろ時間だね。」

恵一さんはいつも21時前には私を帰してくれる。

「ご馳走さまでした。」

「気分転換できたかな?」

「はい!」

「それはよかった。じゃタクシー乗り場まで送ってくね。」

歩きながら、恵一さんはびっくりする発言をした。

「美鈴ちゃん、僕、北海道に住む計画を立ててるんだ。」

「えっ?」

「こうして会うのも残り少ないかもしれないな。」

私はどう返事したらよいかわからず、下を向いていた。タクシーに乗ると、封筒が渡された。私は黙って受け取りさよならをした。
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