お家に帰ろう。
「車の免許取る金、貯めるんだってさ。」

「早っ!来年のことじゃん。」

「これから夏も来るし。」

「はぁ…?」

「あはは。」

「?」

「久しぶり。元気だった?」

「え!うん…まあ、なんとか。」

「…」

「バスケは?」

「今日は無いんだ。だからテツにつきあってる。」

「せっかくの休みなのに、仲良しだね。」

「あれでアイツ、意外と不器用だろ?俺が付いてないとダメなんだよ。」

「それは頼もしい。」

「だろ。」

「…じゃあ、切るね。」

「何か伝えとく?」

「あー…また電話する。」

「あのさぁ!」

「はい!?」

「あ…上手くやってるの?」

「…うん。」

「そっか。」

「市川くんは?」

「俺は、…今んとこバスケのことで頭いっぱいだから。誰かさんと違って。」

「誰かさん?」

「頼りになる男を目指して頑張ると決めたヤツがいてさぁ。」

「?」

「ついこないだ、“頼りない”って言われて失恋した友達から学んだんだ。」

「ん?それって…」

「分かる?」

「そーゆーことなの?」

「俺から聞いたって言うなよ。」

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