お家に帰ろう。
また一つ、明に秘密が増えた。
〔これは哲司のため、そして遥のためでもあるかもしれない市川との約束なのだから仕方がないのだ。〕と、
そう自分に言い聞かせ、納得する明。
久しぶりの市川との会話も、何も問題無かったように感じられて、胸のつかえが取れた気分だった。
「どーしたの明?機嫌良さそうじゃない。」
母が言った。
「そ?いつもと変わらないけど。」
「やっぱり、なんかあったでしょ?」
「…あたしにじゃないけどね。」
「?」
遥の質問に対して、つい意味あり気に答えてしまった明は、
「最近はーちゃん、モテモテだって話じゃん。」
「え?」
「テツから聞いたよん。」
「ちょっと!!」
遥に話題を振ってごまかすのだった。
すると遥は、よほど嬉しかったのか、聞いてもない事までペラペラと喋り出し…
おかげで、明が市川から情報を得ていたことがバレずに済んだ。
その時
「明の元カレの市川君にも会ったよ!」
ちょうど口に含んでいた飲み物を吐き出しそうになるのを必死に堪えた明は、
「なんか言ってた?」
白々しく聞いてみる。
「なーんにも!」
「…」
「話もしたくないって感じぃ?」
〔これは哲司のため、そして遥のためでもあるかもしれない市川との約束なのだから仕方がないのだ。〕と、
そう自分に言い聞かせ、納得する明。
久しぶりの市川との会話も、何も問題無かったように感じられて、胸のつかえが取れた気分だった。
「どーしたの明?機嫌良さそうじゃない。」
母が言った。
「そ?いつもと変わらないけど。」
「やっぱり、なんかあったでしょ?」
「…あたしにじゃないけどね。」
「?」
遥の質問に対して、つい意味あり気に答えてしまった明は、
「最近はーちゃん、モテモテだって話じゃん。」
「え?」
「テツから聞いたよん。」
「ちょっと!!」
遥に話題を振ってごまかすのだった。
すると遥は、よほど嬉しかったのか、聞いてもない事までペラペラと喋り出し…
おかげで、明が市川から情報を得ていたことがバレずに済んだ。
その時
「明の元カレの市川君にも会ったよ!」
ちょうど口に含んでいた飲み物を吐き出しそうになるのを必死に堪えた明は、
「なんか言ってた?」
白々しく聞いてみる。
「なーんにも!」
「…」
「話もしたくないって感じぃ?」