お家に帰ろう。
「へ、へー。そーか、じゃあ結婚できるんだあ?」

「いや、戸籍上兄妹だから無理!いーんだ!実際に今、家族だし!…アイツが誰かと結婚しなければの話だけど…」

「そう思ってるのは、マサ君だけなんじゃないの?」

「アイツも分かってることだよ。」

「…そーなんだ。」

「でさ!おまえ、どーなったか、家に電話してみてくんね?」

「様子を探れって?」

「そんな感じ。」

「ったく…俺が居なかったら、どーするつもりだったんだよ、二人は?」

「だから…遥と上手くいくように協力するよ…」

「それも怪しいなぁ…」

「何でだよ?」

「まあ、いーや!電話してみるよ!遥も帰ってるだろうし。それから俺、自分の道は自分で切り開いていけるから!」

「そ?じゃあ、あとで報告よろしく!」

「あ、つっ!なんだよ、もう!」



電話が切れると、納得がいかないまま、まずは、遥に電話を入れる哲司。

すると、

「もしもし!テツ?!」

まるで、待ちわびていたような遥の対応に驚いた。


「おおぅ。あのさぁ、さっき弥生さんから電話があって…明、帰ってきた?」

「…」

「ん?遥?もしもーし!」

「…あのね…さっき家に、明のホントのお父さんが来ててね…」

「え?!」

「私、ちょっと帰りが遅くなっちゃったから、静かに入って行って行ったのね、そしたら、なんかもめてて…」

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