お家に帰ろう。
市川慎吾からの返信は素早かった。


その内容はと言うと…

今までのメールでは、
一度も誘ってきたことなどなかったくせして

哲司と一緒に応援に行くことを伝えた途端に、

“わざわざ有難う”
“緊張してミスりそうだ”

といった文面から始まり、

“俺のアピールタイムだから頑張ります。”

と、低姿勢ながらにも、初めて、主張性を感じさせるモノだった。


悪い人ではないことが分かる。


(お手なみ拝見…てとこかな)


明の恋愛ポイントは
“意外性”だった。


『こう見えて、実はこうだった』というギャプに弱く…

どちらかと言えば、

“いつもは威張っている奴が、
小犬を見た途端、たちまちダラシない顔になった瞬間を見てしまった。”

のようなパターンは、
弱点と言っても良いほどだ。

このことは、哲司でさえも知らないはず。


だいたい、
“静かな印象の人が、実は、とてつもない才能の持ち主だった”などのギャプは、よくあることだと、
たかをくくっていた明は、
正直、あまり期待などしてはいなかった。

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