お家に帰ろう。
練習試合は、哲司の高校の体育館で行われた。


ただでさえ、自分とは関係のない学校で、
そこの生徒や選手が行き交うなか、
哲司の存在は心強かった。


すでに、女子の試合が終盤戦をむかえている。


「上行こうぜ。」


哲司の後に付いて、上のギャラリーへと向かうと、
体育館が一望できて、


「あの、青白のユニフォームがうちだな。」

「ふーん。」


その中に、じっくりと試合を見つめる市川のをみつけた。


そんなとき、

「なに?彼女?」


なにやら親しげな態度の女が二人、哲司の元へとやってきた。


「俺のじゃないよ。」

「なにそれ?じゃあ誰の?」

「内緒。」

「ま、いいけど。えっちゃんに見られないようにね。」

「いいよ別に。」

「じゃ、お邪魔しました〜。」

「…」

「今の、イッチーファン。」

「えっちゃんて?」

「…聞きたい?」

「やっぱいーや。女子終わったみたいだから。」

「あ、そ。」

(…もてるんだ?)


コートは素早く入れ替わった。

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