お家に帰ろう。
「話ってなに?」

「うん。……どんな感じかなぁって。」

「どんなって?」

「ほら…こないだのキスの」

「バッ!!声がデカイよ。」

哲司は一度、ドアの外を確かめに立ち上がった。


「なによ、ビクビクしちゃって…」

「そりゃーおまえ、」

「あたしとテツがどーにかなったって、ここの住民は驚かないってば。」

「でもさぁ、」

「だとしたら!…あの人はどーなるかな?」

「…多分、友達としていられなくなるかな。」

「じゃあ、キスのことは黙っておいてあげる。」

「あげるって…あれはさぁ、おまえだって」

「実はね!」

「!…おぉ。」

「あたし……聞かれたよ!市川くんにあんたとの関係について。」

「ったく、何やってんだアイツは…」

「確かにぃ、付き合いはじめてから、あんたとキスしたことは確かだしぃ…」

「ちっと、マジでさぁー、」

「どーしてそんなに、あんたとのことに拘るんだろう?」

「そりゃ嫌だろー!友達と兄弟…なん…て…」

「そーゆーもの?」

「…少なくとも…俺は。」

「…テツ?」

「はい!」

「あたし…あの人と別れることになったら、あんた、どーする?」

「どう?…するって?」

「友達しずらいよねーやっぱ…?」

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