お家に帰ろう。
「あ…ん―……まぁな〜。」

「その時はさ、あたしに構わず、市川くんについてあげて!」

「ちょっと待て!…俺のせい?」

「ん〜。あんたに拘る彼のせいだけど…すごく良い人じゃん?騙してるみたいで辛いんだよねーあたし。」

「待てって!キスだけじゃん!」

「当たり前でしょ。」

「じゃあ大丈夫だろ?アイツだってそのくらいは…だってそんな…中坊じゃないんだからさぁ」

「あたしがね!!」

「!」

「あたしがダメなの!やっぱり比べちゃうの…好きな人と…」

「…好きな人?…いたの?」

「ごめん。今頃。」

「…」

「…」

「どーしてもダメなのか?」

「…うん。逆に、それがよーく分かっちゃった。」

「…じゃあ、しょうがねーな。」

「あたし、どーしたらいい?」

「…三人で会おうか?」

「いい?」

「ふーっ…良くないけど、いーよ。」

「ありがと。」

「…うん。しゃーない。」

「このお詫びは何かでお返しします。」

「いらんわ!!…絶対また、何か言いがかりつけてくっから!」

「あ、バレた?」

「バレバレ。…あ…やっぱ、キスのことは言わない方向で…」

「もちろん。」

「あざーす。」

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