いつまでも...未緒side【短編】
ひととおり話し終えると、それまで相槌だけだった隼人が

「大変だったな…。俺なら耐えられないかも…すごいよ。偉い。」

と、言ってくれた。

偉いなんて、予想もしてなかった。
また涙が止まらなくなった。
けれどその後の言葉に、私はもっと驚くことになる。
少しの間、私のすすり泣きだけが聞こえていたが、突然隼人が口を開いた。

「なぁ…山野。今言っていいのかわかんねぇんだけど…」

「…うん?」

「俺、前から山野のこと好きだったんだ。」

「…え?」

「だから今日、悲しそうにしてるから…つい、声、かけちゃっ、て…」


ぼそぼそとだんだん小さくなる声。
信じられなかった。

「うそ…」

隣を見ると、暗がりでよく見えないけれど真っ赤な顔で口元を押さえている隼人がいた。

このドキドキは何だろう。

もしかして…私も?


 
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