いつまでも...未緒side【短編】
あの日告白されてから、ずっと今まで付き合ってきた。

隼人はここらじゃちょっと有名なお金持ち。

あたしみたいなのが付き合ってていいのかな、って正直いつも不安に思う。


けれど隼人は


「俺は未緒が好きだからいーの。」


こう言って笑ってくれる。

家に居るよりも何よりも、こうしてベンチやブランコで隼人と過ごす時間のほうが幸せだったし、失いたくないものだった。

家に帰っても酔いつぶれた母か男といちゃつく母にしか会えない。

おかえり、と迎えてもらったことなんてあっただろうか。

昔からあたしの誕生日なんか無かった。
ケーキも、お祝いの言葉も。

褒めてもらいたくてテストで頑張っても何も言ってくれなかった。

きっと…

「あたしなんてお母さんからしたら邪魔なだけなんだよね…」


気が付くとふとそんなことを呟いていた。


「…なあ未緒。」

「んー?」

「2人で…逃げない?」



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