いつまでも...未緒side【短編】
「え…?」

びっくりした。本当に。
思わず隼人の方を見る。

遠くを見ていた隼人もこちらに向いた。


「逃げる…って何処に?」

「…東京、とか」

「でもそんなお金…」

「俺が出すよ。いつか返してくれればいい。」


東京に…逃げる?
2人で?

お金は出す、って本気?

隼人とずっと一緒?

でも…学校とか、住むところとか、中学生のあたしたちになにが出来るんだろうか…。


「やっぱ駄目だよな…」


頭を掻いて苦笑いする隼人。


「いや、いこ!…逃げよ!」

隼人は自分で言ったくせに、目をまんまるにして驚いていた。

正直不安だらけだけど、2人なら、隼人と2人ならどうにでもなるんじゃないかって思ったんだ。

だから2人で過ごす未来を考えたら、自然と頬が緩んでしまう。


そのまま2人でいつにしようか?荷物はどうしようか?なんて楽しく会議が進んでいった。

出発は明後日。
荷物は鞄ひとつ。


楽しみで仕方なかった。


「楽しみだね。」

「な。まちあわせは朝5時にバス停で」

「りょーかいです!」


敬礼のポーズなんかとってみちゃったり。


ふふふって2人で笑った。
そのまま微笑みながら見つめ合った。

隼人に手を握られて、そのまま2人、キスをした。
< 7 / 14 >

この作品をシェア

pagetop