【短編】私vs国連~大怪獣の足元で~
 私の言葉を、隊長は疑い深そうに眺めて言った。

「ソレは。
 狙った相手しか打ちぬかナイ、超高性能な誘導ミサイル。
 ……とか言い出すんデスか?
 ソレにしても、ワガ軍が、博士たちを取り囲み、その向こうデハ、さらに野次馬の民間人が取り囲んでイルのに。
 ……敵と味方がこんなに、複雑に絡まってイルのを選別して、我々ダケを撃退スルと?」

 言って、隊長の蒼い瞳がひゅ、と細くなった。

「……ソレは、日本人の言葉で言う『ハッタリ』ト言うモノでは?」

 隊長は、私の言っていることを『ウソ』だという。

 ふふん。

 本当に、そうかな?

 私は、ココロの中でちょっと笑うと、機械のボタンを見せびらかせて言った。

「……私の望みは、ここに留まって、今まで通り穏やかに暮らすこと、です。
 このボタンが押されたくなかったら、国連軍の皆さんは、そのまままっすぐ。
 それぞれの国に帰ってください」

「大月博士が、おとなしく我々に付いてきてくれると言うのナラ。
 今すぐさっさと帰りマスよ。
 サア、大月博士!
 莫迦なコトを言ってないで、怪獣と一緒に来てくだサイ!」
 


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