【短編】私vs国連~大怪獣の足元で~
「……いや、実に平和な光景ですな」
スクーターの音と、のんびりした声に振り向けば。
ようやく来た新聞屋が、ヘルメットに軽く手をやり、私にあいさつをした。
今日は晴天なのに、雨使用のビニールに包まれた新聞紙を私に手渡し、楽しそうに、笑う。
「おかげで、僕の担当地区は、海水にぬれても良いように。
いつだって雨降り用の、ビニールまきです」
「私の怪獣のために、お手数をかけて、すみません」
毎日、毎日かけさせてしまう手間を考えて、思わず頭を下げると。
新聞屋は、大したことないですよ、と笑って言った。
「それよりも……テレビかなんかで、ニュースを見ましたか?
……新聞の見出しにもなってるんですが、ね」
今まで笑っていた新聞屋が、少し眉をひそめて私にささやいた。
「……本当に、国連軍がここにやってくる、って話ですよ?」
「うぁ……とうとうマスコミまで嗅ぎつけましたか」
数日前の実験でテレビを壊して以来、世間の情報にはめっきり疎い。
新聞屋から初めて聞いた情報に、私はアタマをがしがし掻いた。
スクーターの音と、のんびりした声に振り向けば。
ようやく来た新聞屋が、ヘルメットに軽く手をやり、私にあいさつをした。
今日は晴天なのに、雨使用のビニールに包まれた新聞紙を私に手渡し、楽しそうに、笑う。
「おかげで、僕の担当地区は、海水にぬれても良いように。
いつだって雨降り用の、ビニールまきです」
「私の怪獣のために、お手数をかけて、すみません」
毎日、毎日かけさせてしまう手間を考えて、思わず頭を下げると。
新聞屋は、大したことないですよ、と笑って言った。
「それよりも……テレビかなんかで、ニュースを見ましたか?
……新聞の見出しにもなってるんですが、ね」
今まで笑っていた新聞屋が、少し眉をひそめて私にささやいた。
「……本当に、国連軍がここにやってくる、って話ですよ?」
「うぁ……とうとうマスコミまで嗅ぎつけましたか」
数日前の実験でテレビを壊して以来、世間の情報にはめっきり疎い。
新聞屋から初めて聞いた情報に、私はアタマをがしがし掻いた。