【短編】私vs国連~大怪獣の足元で~
「ソレらしい人間が。
 私に怪獣を手放せ、と言ってるのを何度かお断りしてましたから。
 いつかは、来るんじゃないかなぁ、とは思ってたんですが……」

 何しろ。

 全長二十メートルの怪獣が出現した、というのに。

 我が国日本では……

 いや、県単位でも、市区町村単位でも特に何にも対策を取らず、怪獣を野放しにしてたから。

 どっかのお節介な国が国連の名を借りて、そろそろなんか言ってくるんじゃないかなぁとは、思っていた。

 今までは、私との水面下の話し合いで微妙な均衡を保っていたけれど。

 マスコミに……一般に知られた時点で、今日明日……どころか、今すぐにでも。

 私と怪獣を捕まえるべく、軍隊が押し寄せてくるかもしれない。
 
「国連軍って、そもそも。
 国際平和維持のために戦っている軍隊のはずですよね?
 私たちは、この通り。
 平和に仲良くやっているので、出来ればそっとしておいてくれないですかねぇ?」

 思わずついた私のため息に。

 新聞屋は、ますます声をひそめて言った。
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