【短編】私vs国連~大怪獣の足元で~
「いや。
 何でも、平和維持活動を名目にたくさん軍隊を出して。
 先生の発明品を没収するのが目的じゃないか、って言う噂もあるんですよね。
 あの怪獣を筆頭に、なんだか怪しげな発明も、一杯したって言う話じゃないですか」

 ……怪しげ、とは失礼な。

「……どれもこれも、平和で豊かで、平等な世界を作るべく。
 頑張った作品ばかりのつもりなんですけど、ね」

 私が肩をすくめると、新聞屋は、軽く笑った。

「先生の発明品が、実際に使われると、軍隊に関係する人が全員。
 職を失ってしまうので、焦ったヒトもいらっしゃるんじゃないですか?
 昨今は世界的に不況で就職難です。
 軍人さんの就職活動を今更するのなら。
 平和のための道具でも、知恵を使えば、世界を破滅に導く兵器になりかねないとか。
 理由をつけて、没収、とか。」

「あう……」

 もし、本当にそんな理由だとしたら、頭が痛い。

 どうしたもんかなぁ、と考えているうちに。

 事態は一変した。

 予想通り、ちっとも招いた覚えのない迷惑な客が、やってきたからだ。





 ……仲間を一杯、引き連れて。
 
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