ツギハギの恋
車のライトが交差点を流れて行く。
冷たい風がサラサラと頬を撫でた。

とりあえずこの場を離れたくてあたしは歩きながら話した。


「つーか何?あんたこそこんな所で」

「あー俺、いま家出中なのね」

「家出って……何でこんな所きてんの?」

「そーだ腹減ってない?付き合って?おごったげる」

「は?だから何でこんな所……」

「はい!走るよ?」

「お前、聞けよ!?」


奴はあたしの質問を笑いながら流す。
あたしは手をとられて引きずるように走らされた。


手を繋がれた瞬間、電気が走ったように心臓が跳ねてドキドキした。

上手く言えないけど……

こんなこと前にもあった気がする。



路地を抜けてしばらく道路沿いを行くと奴は目の前にあったファミレスにあたしを引っ張って入った。



「まーまーとりあえず食おう?」

「……こっちの質問答えねーのかよ」



財布なしでお腹の減ってたあたしはおごって貰えるならと何の警戒もなくメニューを開いて注文した。


これってやっぱりナンパなのだろうか?



「名前なんて言うの?」


何気なくそう聞かれてあたしは本名を口にするか躊躇した。


「……ミリ」

「ミリ?……ミリちゃん?」





呼ばれた瞬間、胸がキュンとして鼻がツンとした。


名前を口にした奴は少し黙ってあたしを食い入るように見つめた。



「……ねぇ……ミリちゃん」




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