COLORS【桃】出撃☆恋愛応援団
「遅いなぁ。もう三十分は経つのに」
御影の声だけが響く。それもそのハズ、シーンと静まり返った廊下には、百メートル先にも後にも人影は見えない。

「生徒会長に呼ばれたのよね。私、前から思っていたんだけど……あの二人には何かあるわね」
意味深に答える蘭。特に心当たりがあるワケではないのであるが……。

「何かって?そう言われればヤケに仲いいわよね~。もしかして、もしかして恋人同士とか?きゃ~っ!」

「ば~か。たまたまだろ」

「動揺してるな、お主」

「流石、先輩!スルドイっ!」

お前らなぁ~っ!
ああ、こいつらのペースにはまっていく自分が嫌だ……。


……コツコツ。


「ターゲットを約三十メートル先に確認!」
オペラグラス……いっいつの間に!?

「御影ちゃん!勝負の時よ!」

「はいっ!!」

また二人で盛り上がっているし……。(なんだかおいていかれている感じするんだよな)

「あの~俺はどうなるんでしょうかぁ」

「大丈夫!悪いようにはしないから!ほらっ!行ってらっしゃい!」

御影は両手で俺の背中をドンと叩いた。
こういう時、頭が真っ白になると言うが、どうやら本当らしい。
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