恋の唄


きっかけは帰りのHRの前。

伊織ちゃんのクラスに現れた真柴君は最初、伊織ちゃんに気付かずに友達と話してたらしいのだけど、友達との会話を終えた真柴君が伊織ちゃんに話し掛けてきた。


『古賀ってこのクラスだったのか』

『えっ? あ、うっうん』


驚いている伊織ちゃんを面白そうに見ていた真柴君。

そんな真柴君は私の事を聞いてきたそう。


『天音は大丈夫そうか?』

『あ……うん。ちゃんと話せたからって』

『ユウも同じ事言ってたな。ま、あとは見守るか』

『そうだね』


頷いた伊織ちゃん。
と、真柴君はポケットから携帯を取り出して言った。


『良かったら教えてもらえるか?』

『え……』

『あの2人のお守同盟って事で』


面白く言ってからかうよな笑みを浮かべた真柴君に、伊織ちゃんは爆発しそうな心臓を必死に落ち着けようとしながら赤外線で交換した。


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