恋の唄
伊織ちゃんの恋が一気に動いている。
それを知った私は凄く嬉しくて。
「一緒に帰れないけど、いい?」
「いいに決まってるよっ。私は気にしなくていいから頑張って!」
私を支えてくれた伊織ちゃん。
彼女の幸せそうな姿は、私にとっても幸せなもの。
家に帰ったら報告するからと伊織ちゃんが言ってくれて、私は笑顔で答えて伊織ちゃんと別れた。
嬉しい気持ちのまま廊下を歩き、げた箱から靴を取り出す。
すると、少し離れたところから声がかかった。
「おっ、結衣じゃん」
靴を持ったままで、もう声だけでわかるその人に視線を向ける。
「華原君」
ニッと口角を上げた華原君の隣りにいるのは、さっきまで話しの主役だった真柴君。
きっと2人はこれから、さっき伊織ちゃんから聞いた部活のミーティングに行くんだろう。