鏡の中のアタシ。


「………」

残された大地達は、しばらく誰も口をひらく事が出来なかった。


単純に、悪い事をしたと思ったから、謝りたいと思った。

その浅い層で考えてとった行動により、誰かを傷つけるなんて思ってもいなかった。


ただただ後悔してやまなかった。


「…大地サン、ここにいても仕方ないし、帰りましょう?」

「お前少し黙れよ。」

沈黙をやぶったのは、明日香の素っ頓狂な声だった。

大地は、その瞬間に低く冷たい声で明日香を黙らせた。

大地は、里菜が常に、雄也を想い、雄也の為を思い行動していた事を思い出していた。

今冷静になって考えれば、どんな噂があろうが、里菜がどれだけ雄也を想っていたかなんて、簡単にわかる話だった…。


< 160 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop