鏡の中のアタシ。
「………」
残された大地達は、しばらく誰も口をひらく事が出来なかった。
単純に、悪い事をしたと思ったから、謝りたいと思った。
その浅い層で考えてとった行動により、誰かを傷つけるなんて思ってもいなかった。
ただただ後悔してやまなかった。
「…大地サン、ここにいても仕方ないし、帰りましょう?」
「お前少し黙れよ。」
沈黙をやぶったのは、明日香の素っ頓狂な声だった。
大地は、その瞬間に低く冷たい声で明日香を黙らせた。
大地は、里菜が常に、雄也を想い、雄也の為を思い行動していた事を思い出していた。
今冷静になって考えれば、どんな噂があろうが、里菜がどれだけ雄也を想っていたかなんて、簡単にわかる話だった…。