鏡の中のアタシ。


エントランスをでた美緒は上を見上げる。

里菜が手を振っている姿をみつけると、手を振り返してから帰路についた。


美緒も、雄也の幸せを祈りながら、同時に里菜の幸せも祈っていた。

明日香の存在も、充分に気になるところだが、こんなにも毎日来る雄也を見ていると、話をした方がいい気がしてきていた。


だけど、里菜はもうたくさん傷ついた。
やっと前を向きだしたところで、また傷口を広げるような事は、あってほしくない。


美緒は、そばで見守る事しかできない自分が悔しかった…。


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