鏡の中のアタシ。


「里菜、自分の気持ちには素直にならないと後悔するよ…?」

美緒は、雄也と会うべきだと思っていたが、里菜に無理強いは出来ないと、里菜の意思に任せるしかなかった。


「里菜、アタシ今日は帰るけど、ホントよく考えるんだよ…。」

「…うん。また明日ね。」

里菜は、美緒を見送るとベランダに出て、下をとおる美緒に向かって手を振りながらタバコに火を点けた。

一時期は止めていたタバコだが、どうも悩んだり、手持ちぶたさになると吸ってしまう。

一時だけでも、心を落ち着かせてくれるから…。



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