鏡の中のアタシ。
「里菜チャン!!」
公園につくと、目の前に肩で息をする雄也が現れた。
メールに気付き、すぐに走ってきたのがわかる。
そんな雄也を見て、やっぱり決心したのは間違いじゃないってつよく思えた。
「里菜チャン、今日はいきなりどうし「雄也クンの彼女にしてください」」
息を調えながら、話しかけた雄也を遮り、里菜はそう叫んだ。
こんな経験が無い里菜は、返事の言葉を、色々用意したのに結局頭が真っ白になってしまった。
「え…?いいの…?」
突然の里菜の言葉に驚いた雄也だったが、うなずく里菜をみて、周りの目も気にせずはしゃいだ。
そんな雄也を見て、里菜もうれしくなった。
「はい、じゃぁ里菜チャン♪」
さんざんはしゃいだ後、笑顔で里菜をみると、真っすぐ里菜に向かって手を差し出した。
「…はい。」
少し緊張しながらも、その手を握り返した里菜。
初々しい2人の様子は、とても和やかで、微笑ましたかった。
いくら、偽りの上にあろうとも。
里菜の決断は間違ってない。
里菜はそう思いたかった。