鏡の中のアタシ。
「時に里菜サン。この方に彼氏サンは、いらっしゃいますか?」
「フフッ…今はいないよ。」
敬語で顔を硬直させながら話す大地に、思わず笑ってしまった里菜だったが、すぐに答えてあげた。
「マジ!?ねぇ、俺にチャンスあるかな!?」
「「え!?」」
里菜の返事を聞くなり、目をキラキラさせながら、尋ねてきた大地に、思わず里菜と雄也は、ハモってしまった。
「大地、お前…惚れたの?」
「ほっ、惚れたとかいうなよ!!」
雄也が、ストレートに聞くと、大地は顔を真っ赤にして反論した。
「ただ、なんつーか…。いいなぁーって思いまして…。」
尚も敬語のままの大地は、照れてるのを、隠しながらも、時折美緒の髪をなで、愛おしそうに微笑んでいた。