鏡の中のアタシ。


「時に里菜サン。この方に彼氏サンは、いらっしゃいますか?」

「フフッ…今はいないよ。」
敬語で顔を硬直させながら話す大地に、思わず笑ってしまった里菜だったが、すぐに答えてあげた。


「マジ!?ねぇ、俺にチャンスあるかな!?」

「「え!?」」

里菜の返事を聞くなり、目をキラキラさせながら、尋ねてきた大地に、思わず里菜と雄也は、ハモってしまった。


「大地、お前…惚れたの?」

「ほっ、惚れたとかいうなよ!!」

雄也が、ストレートに聞くと、大地は顔を真っ赤にして反論した。


「ただ、なんつーか…。いいなぁーって思いまして…。」

尚も敬語のままの大地は、照れてるのを、隠しながらも、時折美緒の髪をなで、愛おしそうに微笑んでいた。



< 225 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop