鏡の中のアタシ。
「………」
「………」
里菜は、チラチラ美緒を見る。
でも目が合わない。
美緒は、コーヒーを飲みながらテレビ画面を静かに見つめていた。
里菜から話し出さなければ意味が無い。
美緒がいなきゃだめなわけじゃない。
今たまたま弱くなっちゃっているだけだから。
だから、美緒は里菜が話せるように、でも無言の気にしないようにテレビを見るふりをしながら、里菜の言葉をまっていた。
里菜は、まだ口を付けていないコーヒーのマグカップをカタカタやって落ち着かない。
でも一生懸命何かを伝えようとするかのように、美緒とマグカップを交互に見ていた。