鏡の中のアタシ。
「…まったくもぅっ。こぼすなよ」
美緒は苦笑いしながら、でも優しく里菜に微笑みかけながら、布巾を手渡した。
「…ごめん。」
すると里菜は静かに謝って、そこからポツリポツリと話し始めた。
「昨日の事も、ごめん。」
「いつも迷惑かけてごめん。」
「こんなんでごめん。」
「…雄也もごめん。」
「ぶっ、いや、それは本人に言えよ!」
ゆっくり話す里菜をコーヒーを飲みながら、静かに話を聞いていた美緒だが、突然の雄也の名前に思わず吹き出しかけて、突っ込んでしまった。
「あ……うん。わかってる。話さなきゃ…ね。」
でも里菜は、一緒に笑うわけじゃなく真剣な表情のまま…
いやむしろ、少しずつ顔を強ばらせながら話した。