鏡の中のアタシ。
愚者なアタシ。
「向き合えよ。」
「里菜、マジに雄也が好きだって思えたなら、逃げんな。」
「美緒…」
ずっと黙っていようと、我慢していた美緒だが、ついに背中を押す事にした。
もしもこれで、里菜が傷ついたってずっと傍にいてあげる。
そんな気合いを入れて、里菜に話した。
美緒がいつもの口調より、強めでハッキリ伝えた言葉に、里菜はビックリした。
里菜は、別れ話の切り出し方、悟の話への言い訳しか考えてなかった。
逃げんな
逃げてる?
向き合おうとしていなかった。
自分から幸せだった日を終わらせる事しか考えてなかった。
「…気付かなかった…」