鏡の中のアタシ。
愚者なアタシ。


「向き合えよ。」

「里菜、マジに雄也が好きだって思えたなら、逃げんな。」



「美緒…」



ずっと黙っていようと、我慢していた美緒だが、ついに背中を押す事にした。
もしもこれで、里菜が傷ついたってずっと傍にいてあげる。

そんな気合いを入れて、里菜に話した。


美緒がいつもの口調より、強めでハッキリ伝えた言葉に、里菜はビックリした。

里菜は、別れ話の切り出し方、悟の話への言い訳しか考えてなかった。


逃げんな

逃げてる?


向き合おうとしていなかった。
自分から幸せだった日を終わらせる事しか考えてなかった。


「…気付かなかった…」


< 43 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop