年下彼氏。*ハツカレ*
chapter.13 あやね


「・・・」


ただ手を合わせた


今日はあたしの本体の亡くなった日

つまり生まれてこなかったお母さんの希望(こども)


葉山のお墓にはちゃんとその子の名前も刻まれている


¨葉山 絢音¨


ゆらゆらとお線香が宙を舞っている


「玲ちゃん?」

「・・・」

「どうしたの?具合でも?」


正美さんがあたしの肩を触れながら言ってきた


「うぅん・・・何でもないよ?」


笑顔を返したけど、正美さんは「そう・・・」と苦笑いをしていた


毎年のことだけど、憂鬱と言うか、所詮あたしはこの子の身代わりなんだと再確認してしまう


お母さんの涙を見る度に




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