赤い夏休み計画



 強い力で体が揺られた。

 重い瞼を薄く開いて、幹の姿を捕らえた。

「寝たら殺ス」

「おはようございます」

 窓の外では街が血を被ったように赤くなっている。

「よし、行こう」



 閉館間近の図書館を後に、僕らはコンビニに行った。

「夜まで待機」

 …店員の視線が痛い。

 なんだかんだで僕は、いかがわしい雑誌を読みふけってしまっていた。



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