地味なあたしと不良軍団
五人が秋の部屋に移動すると、さっきまで奏と秋がゲームしていたらしい後があった。
「で、早速ききたいねんけど。」
「…うん?」
「依奈ちゃんが今いーっちばん好感度高いって思う奴誰や?」
「なんか薫キャラ違くね?」
目がにこにことしている彼に不満を漏らすと薫は無視した。
「…きゅ、きゅうにそんなことっ、言われても…」
「薫、んなこと別にどうだっていいだろ」
「悠真も気になってるんちゃう?」
そう言われればそうだが、いいにくそうにしている依奈から無理やり聞き出すのもどうかと思う。
「なんや悠真、最近えらい丸くなったなあ」
薫の素直な感想に彼は黙る。
自分は不良でなければならない。
あのときから、それは変わる事はない。
「…悠真くん?」
不思議そうに首を傾げた依奈を睨み、悠真は立ち上がった。
「便所」
ばたん、
出ていったドアをみて一瞬シンと静まり返った。
「…あたしは、今、悠真くんが心配だよ」
「…俺も」
幾多姉弟が同じ意見をだした。