地味なあたしと不良軍団

「悠真かいな…」
「…悠真くんの昔の写真見たんだけどね、今と、全然違うの」

今みたいに冷たい表情で笑っていなかった。
何があったの?

「…あー、アレだろ。悠真先輩、前の学校で色々あったんだってさ。」
「前の学校?」
「あれ?知らないの?依奈ちゃん。」

学校のほとんどは知っているのに、彼女は悠真が転校生であった事を知らない。

「…とにかく、色々あったんだよ。そのせいで今の学校じゃダチつくんねえし」

奏が説明すれば依奈が眉を潜めた。

あたしには知る権利がないかも知れない。

けれど、ほっては置けない気がした。

「…あたし、悠真くん見てくるね?」

きっと、トイレにはいないと思うし。

「依奈、」
奏が名を呼んだ。
依奈は振り向くが、彼が何も言わないと分かると立ち上がり悠真を探しに部屋を出る。

「奏ちゃん、ピンチなんちゃう?」
「…うるせえな」

もしかしたら、悠真に取られてしまうかもしれない。

「依奈ちゃん、やっぱ可愛いなあ…」
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