地味なあたしと不良軍団
秋は言葉を漏らす。
「秋は呑気なもんやな」
薫の言葉に秋は笑った。
本当は、悠真に嫉妬しているけれどそれを表にだすわけにはいかない。
優しい依奈だから、きっと自分にも駆け寄ってくれるだろう。
「俺、依奈ちゃん好きだし!」
困らせるわけにはいかない。だから笑うのだ。
「…軽いヤツ」
奏は呆れたように言った。秋は無表情で奏を見る。
「ま、いいわ。依奈ちゃんの様子見にいかへん?」
「「一人で行けば?」」
二人の冷たい言葉に薫は声を詰まらせる。
「なんやねん、ノリ悪いなあ。」
「…悠真の過去を知ってる俺等が覗き見してても後で悠真に殺されるだけだ。」
「そーそー。」
まだ死にたくありませーん! と手をあげる秋に薫は座りなおす。
「…こんなことにさせるために依奈ちゃん呼んだんやないのに」
「知るかよ。」
*
「…あ、悠真くん、どこいくの?」
「コンビニ」
「あたしも、一緒に行っていい?」
玄関で悠真を見つけ、依奈は話しかけた。